今月のくるみパン

もちもちの生地にまるまるのくるみを入れた「リュスティック くるみ」 / Bakery kuma(ベーカリー クマ)

VOL.26

もちもちの生地にまるまるのくるみを入れた
「リュスティック くるみ」

Bakery kuma(ベーカリー クマ)

生地そのものがおいしくなることを目指して作られたパンの数々

渋谷から田園都市線の急行でおよそ25分、横浜市青葉区にある「青葉台駅」。そこから徒歩10分弱、坂道の途中に構えられたお店が「Bakery kuma(ベーカリー クマ)」です。「2010年1月22日にオープンしたお店は8坪、そのうち売り場はたった2坪しかないので、お客さんが3人ほどいらっしゃると満員になってしまいます(笑)」と語るのは、店主の大熊 健さん。パンの販売はスタッフの協力があるとはいえ、パンの製造は大熊さんたった一人。ご自身も販売のために店頭に立ちながら、毎日40~50種類ものパンを焼き上げています。


「開店当初は、多くのお客様が食べやすい甘いパンやソフトなパンを中心にしようと考えていました。でも、開店してみたらハード系のパンが良く売れたので、ハード系を増やしていったんです。当店は40~50代の主婦層やご年配のお客様が多いのですが、みなさんドイツパンなどハード系のパンを好まれます」と大熊さん。どのパンも「生地そのものがおいしくなる」ことを目指して作っているそうで、生地の醗酵には長い時間をかけるなど、自然なおいしさを引き出すための工夫がされています。そんな大熊さんが焼き上げる、とっておきのくるみパンをいただきました。

ベーカリー クマ 店舗外観写真

横浜市青葉区にある「青葉台駅」から徒歩10分弱、坂道の途中に構えられた「Bakery kuma(ベーカリー クマ)」。店頭には近所に住むご親戚の菜園で採れた野菜類が直売され、こちらも人気なのだそうです。



ベーカリー クマ 店舗内観写真

2010年1月22日にオープンしたお店はわずか8坪、そのうち売り場はたった2坪。ご自身も販売のために店頭に立ちながら、毎日40~50種類ものパンをたった一人で焼き上げています。

あえて刻まないくるみの食感を楽しめる「リュスティック くるみ」

当店の主力のパンのひとつ、プレーンタイプの「リュスティック」にくるみを合わせたのが、「リュスティック くるみ」(190円税込)です。少量の酵母に75%もの水をたっぷり入れて、丁寧に手でこねて作ったもちもちの生地。そこにあえて刻まないくるみをまるまる入れたパンは、くるみのほどよい苦みがしっかりと味わえます。「当初くるみといえば甘いパンをイメージしていましたが、とあるお客様のリクエストで甘くないリュスティックで作りました。かたいフランスパンの生地だとくるみのかたさとケンカしてしまうし、柔らかい生地だとくるみが目立ち過ぎる。そこで適度なかたさで、かつもちもち感のあるリュスティックを採用しました。今では当店のロングヒット商品です」(大熊さん)。トースターで焼いたあつあつのパンに、あえて冷たいままのバターをのせて溶かしながら食べるのが、大熊さんが一番好きな食べ方なんだそうです。

「リュスティック くるみ」写真

「リュスティック くるみ」(190円税込)。少量の酵母に75%もの水をたっぷり入れて、丁寧に手でこねて作ったもちもちの生地にくるみをまるまる入れたパンは、くるみのほどよい苦みがしっかりと味わえます。

くるみのほろ苦さ、レーズンの甘さ、生地の酸味がマッチした「レーズンとくるみ」

もうひとつ、当店の主力がドイツパン。中でも人気なのは「ライ麦50% レーズンとくるみ」(340円税込)です。「ドイツパンとは、一般的にライ麦をメインに使うパン。ライ麦は膨らまないので、普通のパンと製法が少々異なり、醗酵時間があまりなく、こねた後にすぐ成形して焼かなければいけません。でもそんな製法が作る側からしたらすごく楽しいパンなんです」(大熊さん)。ごわっとしたかみごたえと、くせになる酸味が魅力的なライ麦50%の生地に、くるみとレーズンを合わせたパンは、くるみのほろ苦さ、レーズンの甘さ、生地の酸味と3つの味が見事に調和。飽きのこないおいしさで毎日食べられます。「クリームチーズをぬって、ワインとともに召し上がるお客様もいらっしゃいます。くるみとレーズンといえば菓子パンのイメージがありますが、お酒のおつまみに合うパンとしても、喜ばれています」(同)。

「ライ麦50% レーズンとくるみ」写真

「ライ麦50% レーズンとくるみ」(340円税込)。くせになる酸味が魅力的なライ麦50%の生地に、くるみとレーズンを合わせたパン。くるみのほろ苦さ、レーズンの甘さ、生地の酸味と3つの味が調和しています。

「平均のクオリティをキープ」することこそパン作りの魅力

「くるみは、ローストすると香ばしさと香りが際立って、その香りがパンに高級感を与えるところがいい」という大熊さんに、今後作ってみたいくるみパンを聞きました。「くるみに他のナッツ類を合わせて、甘くあえた具材をデニッシュに乗せれば、とてもおいしいパンが作れると思います。秋のシーズンなら栗を合わせるのもいいかもしれませんね」。


パン生地はその日ごとで状態が違うため、毎日さまざまな試行錯誤があるという大熊さん。「良い部分を伸ばす」「悪い部分を改善する」という考え方でなく、「平均のクオリティをキープする」という考え方でパンと向き合っているそうで、そうした仕事の奥深さが、パン作りの魅力なんだそうです。


「自分も10年ほど修行しましたが、そうした中で『どうしてもこんなパンを作りたい』と感じたら、勇気を出して独立することを薦めます。確かに独立は大変ですが、一歩踏み出せば必ず道は続いていってくれるので、パン職人を目指す若い人には、ぜひがんばってほしいですね」。そんなメッセージを送る大熊さんの素敵なパン職人の道は、今も続いています。

店主の大熊 健さん

「確かに独立は大変ですが、一歩踏み出せば必ず道は続いていってくれるので、パン職人を目指す若い人には、ぜひがんばってほしいですね」。10年ほどの厳しい修行時代を経て一念発起したパン職人ならではの温かいメッセージを送る、店主の大熊 健さん。

【Bakery kuma(ベーカリー クマ)】
・住所/神奈川県横浜市青葉区つつじが丘10-21
・TEL、FAX/045-985-7933
・営業時間/8:00~19:00 ※商品なくなり次第終了
・定休日/日曜、第3月曜日
・アクセス/東急田園都市線「青葉台駅」徒歩約10分
・URL/http://ameblo.jp/manapankumapan/