今月のくるみパン

2種類のチョコレートとくるみを贅沢に使った「くるみチョコパン」/ottoパン

VOL.29

2種類のチョコレートとくるみを贅沢に使った
「くるみチョコパン」

ottoパン

「丁寧」にこだわり、たった一人でパンを焼き続ける

大井町から溝の口までを結ぶ大井町線の荏原町駅。レトロな商店街を抜けた緑道沿いにあるのが、今回訪ねたパン屋さん「ottoパン」です。「otto=オットとはイタリア語で『8』という意味。末広がりで縁起がいいのと、『otto』とアルファベットで書いたときに左右対称になるのでロゴとしていいなと思い、名づけたんです」と語る木内俊弘さん。お店のすべてのパンをたった一人で焼き続ける、この店の店主です。「素材選び、こねる、焼く、販売にいたるすべてのプロセスで、自分が満足のいくものを提供したかった」というのが、木内さんがたった一人でお店を出そうと決意した一番の理由です。


「おいしさだけでなく身体に良い素材選び、こねる、醗酵させる、焼くと、すべて自分の五感で確かめて、納得のいくパンを提供するために、とにかく『丁寧』にこだわっています」という木内さん。11種類の生地をベースに、およそ45種類のパンを全部でおよそ300個、毎日たった一人で焼き上げます。なかなか大量製造ができないなか、少しでも多くのパンを提供するために、できるかぎり手間のかからない単純な形でパンをつくられるそうですが、人気のパンは早い時間に売り切れてしまうことも。今回ご紹介いただいたパンも、そんな当店自慢の人気のパンです。

ottoパン店舗外観写真

イタリア語で「8」という意味の「ottoパン」。大井町から溝の口までを結ぶ大井町線の荏原町駅で下車し、レトロな商店街を抜けた気持ちのいい緑道沿いで営業しています。



パン オ フゥ 店舗内観写真

白を基調とした店内。店内は決して広くはありませんが、木枠のかわいらしいガラスケースには、くるみチョコパンやくるみクリームチーズなど、人気のパンが並べられています。

2種類のチョコとカリフォルニア産くるみが入った「くるみチョコパン」

当店でも人気が高いパンが「くるみチョコパン」(240円税別)です。「カリフォルニア産のくるみをたっぷりと使い、マイルドな味わいのチョコレートを練り込んだ生地で、ビターなチョコレートを巻き込み焼き上げたパンです」(木内さん)。とくにビターなチョコにはクーベルチュールという上質なチョコを贅沢に使い、マイルドなチョコレートとの味のコントラストが楽しめます。「このパンにくるみを使ったのは食感のため。チョコレートのまろやかな甘さとほろ苦さのなかに、カリッとしたくるみの食感が味わえるのが一番大事なポイントですね」と木内さんが解説するとおり、さっくりした皮ともっちりした生地に包まれたチョコの味わいと、香ばしいくるみの食感が楽しいパンです。見た目は小ぶりなサイズですが、たっぷり入ったチョコレートとくるみのおかげでボリューム感があり、意外と食べ応えのあるチョコパンです。

「くるみチョコパン」写真

「くるみチョコパン」(240円税別)。さっくりした皮ともっちりした生地に包まれたチョコレートの味わいと、カリフォルニア産の香ばしいくるみの食感が楽しいパンです。

北海道産クリームチーズとくるみがマッチする「くるみクリームチーズ」

「くるみクリームチーズ」(250円税別)も当店人気のパン。フランスパン系をベースにした生地にくるみをたっぷり練り込み、その生地で北海道産のクリームチーズを包み込んでいます。「ハードな生地とくるみの食感の良さに加えて、北海道産クリームチーズの濃厚な塩味とくるみの香ばしさが、とてもマッチしたパンです」(木内さん)。生地の中身のほとんどを占めるほど贅沢に入れられたクリームチーズがこのパンの主役といえますが、食感と風味にアクセントを与えるくるみは、このパンになくてはならい存在です。「クリームチーズとくるみがたっぷり入っているので、一つでお腹いっぱいになる」と木内さんがおっしゃるとおり、一つでも十分満たされるパンです。こうして2種類のパンをいただき、チョコのような甘い味から、チーズのような塩味のある味まで、くるみはさまざまな味と調和する食材だと、あらためて感じました。

「くるみクリームチーズ」写真

「くるみクリームチーズ」(250円税別)。「ハードな生地とくるみの食感の良さに加えて、北海道産クリームチーズの濃厚な塩気とくるみの香ばしさが、とてもマッチしたパンです」(木内さん)

食べるのもつくるのも楽しいパンはずっとそばにある存在

「くるみは完全にではなく、軽めにローストしてから使います。生っぽさを残すことで、生地の表面にくるみが顔を出すときはカリッとした食感と香ばしさを、生地の中にくるみが入っているときは半生ならではのサクッとした食感と風味を、それぞれ楽しんでもらうためですね」(木内さん)。なるほど、火の通り具合によってくるみはさまざまな表情を見せるようです。


「もともとパンを食べるのが大好きで、おいしいパンを見つけて食べ歩くのが好きでした。やがて自分でもパンをつくりたいと思い、パンの修行に入ったんです」と言う木内さん。今だにパンを食べることも、パンをつくることも、とても楽しいんだそうです。「パンは単純に一番好きなもので、とにかく飽きない。僕のなかでパンはずっとそばにある存在ですね」。


荏原町にある緑が気持ちいい緑道沿いのお店で、一人パンを焼き続ける木内さん。「自分流ではありますが、一人でパンを焼き続けることでいろいろなことが納得できるようになりました。次のステップとしては、これまでの経験で得た僕のパンづくりを継承したいという気持ちがわきつつあるので、教わりたいという人が出てくればですけど(笑)、いつか伝えていきたいですね」。木内さんの丁寧なパンづくりの技と想いは、近い将来世の中に広がっていくかもしれません。

店主の木内俊弘さん

今だにパンを食べることも、パンをつくることも、とても楽しいという店主の木内俊弘さん。「パンは単純に一番好きなもので、とにかく飽きない。僕のなかでパンはずっとそばにある存在ですね」。

【ottoパン】
・住所/東京都品川区中延5-9-10
・TEL、FAX/03-5498-0255
・営業時間/10:00~18:00 ※売り切れ次第終了
・定休日/月曜日、第2、第4火曜日
・アクセス/東急大井町線「荏原町駅」徒歩約2分
・URL/http://ottopan.com/