今月のくるみパン

くるみと固形メープルの食感が印象的「かえで」/むぎこ製ぱん所

VOL.34

くるみと固形メープルの食感が印象的「かえで」

むぎこ製ぱん所

夫婦二人三脚で営む立川の小さなパン屋さん

東京都多摩エリアの主要都市のひとつ立川市。その中心となる立川駅南口から15分ほどバス通りを歩くと、通り沿いに小さなパン屋さんが見えてきます。「むぎこ製ぱん所」は、2015年7月にご主人の山田将人さんと美緒さんご夫婦がオープンしたお店。「妻の母が小麦粉のことを『むぎこ』と呼んでいて、その響きがかわいいなと思って、自分たちのお店を持ったら、店名には「むぎこ」と付けたいなと考えていました」と、将人さん。対面販売式の小さな店内は、店名に冠したむぎこ=小麦のほのかな香りや、焼きたてのパンの香ばしい香りが漂い、ゆったりと幸せな気分にさせてくれます。


もともとパンが大好きだったという将人さん。「高校生ぐらいからパン屋さんになりたいと考えていて、その想いが今につながった感じですね」と、将人さんは大型オーブンの前で語ってくれました。「このオーブンの内側には天然石が敷かれているので熱伝導に優れていて、フランスパンなど直火(じかび)でパンを焼くのに適しているんですよ」と語る将人さん。掃除やメンテナンスを欠かさず行うなど、店の大黒柱でもある大切なオーブンを使い、1日およそ35~40種類、350~400個ほどのパンをつくられるそうです。そんな数あるパンの中から、とっておきのくるみのパンをご紹介いただきました。

むぎこ製ぱん所店舗外観写真

立川駅南口から15分ほどバス通りを歩くと、通り沿いに見えてくるのが「むぎこ製ぱん所」。2015年7月にご主人の山田将人さんと美緒さんご夫婦がオープンしたパン屋さんです。



むぎこ製ぱん所店舗内観写真

温かみのあるウッディーなショーケースと白を基調とした落ち着きのある店内。1日およそ35~40種類、350~400個ほどのパンをつくられるそうです。

大きめのくるみと固形メープルが入った「かえで」

まずご紹介いただいたのが、メープルの樹種としても知られる「かえで」(250円税込)という名のくるみパン。「メープルというとシロップやシュガーが一般的ですが、このパンは食感を意識して、焼き上げた後でも形を残すために固形のメープルを使っています。小さいゼリーのようなメープル、そこに歯ざわりのいい大粒のくるみ、さっくりとした生地と、3つの違った食感が1つで楽しめるパンです」(将人さん)。食感とともに印象的なのは、その味わい。メープルのやさしい甘さ、ローストされたくるみの香ばしさ、小麦の素朴な風味が、どこかなつかしさを感じさせます。それは家庭で焼いたホットケーキにも似た親しみやすさを感じさせます。「一本まるまるガブッとかぶりついてほしいですね。生地はねじって成型しているので、ねじった箇所がさっくりして、大きめのくるみを練り込んでいるので、食べ応えがありますよ」(将人さん)。

「かえで」写真

「かえで」(250円税込)。メープルのやさしい甘さ、ローストされたくるみの香ばしさ、小麦の素朴な風味が、どこかなつかしく、親しみやすさを感じさせるパンです。

くるみがチョリソーの辛みをマイルドにする「くるみチョリソー」

次は、くるみにとの組み合わせとしてはちょっとめずらしい素材を選んだ「くるみチョリソー」(230円税込)です。「以前お客様から辛いウインナーが苦手という声を聞いていたのですが、たまたま自宅でカレーにくるみを入れて食べたとき、くるみがカレーの味を引き立てることに気づいて、このパンを考案しました」(将人さん)。チョリソーのピリッとした辛さとくるみが持つコクが、不思議とマッチする仕上がりに。「チョリソーの油とくるみの油が、生地にしみこんでおいしさが増すだけでなく、くるみのほどよいエグみがチョリソーの辛みをマイルドにしてくれるんです」と将人さんの言葉どおり、確かにくるみがチョリソーの辛さを抑えながらも味は引き立てられ、2つの具材を包む生地は小麦の風味が立った仕上がりです。また、馬のひづめのような切れ目が入れられたパンは、中のチョリソーも一口サイズにカットされ、食べやすく工夫されています。

「くるみチョリソー」写真

「くるみチョリソー」(230円税込)。くるみがチョリソーの辛さを抑えながらも味は引き立てられ、2つの具材を包む生地は小麦の風味が立った仕上がりです。

立川市「個店振興事業」準グランプリの実力店

「パンだけで食べるより、パンにくるみが入ることで咀嚼(そしゃく)というか噛む回数が増え、食べ応えや満足感を得られるし、僕自身食感がある方が好きなので、くるみはクラッシュよりも粒のまま使うことが多いです。その方がくるみ本来の味が楽しめると思いますね」と将人さん。お客様からは「くるみを使ったパンありますか」と聞かれることも多いそうです。


取材の時点でオープン10ヵ月にも満たない「むぎこ製ぱん所」ですが、「立川市 輝く個店振興事業」の物販・サービス業部門で、見事に準グランプリを受賞するなど、品質とサービスが認められた実力店ですが、敷居の高さを感じさせることもなく、店主の将人さんと美緒さんのお人柄が表れているのか、アットホームな雰囲気が店内に漂っていました。


「私たちにも小さな子どもがいますが、お子さんが一人でも安心してパンを買いに来れる店を目指したいですね。『ちょっとパン買ってきて』とお母さんがお子さんにお使いに行かせるような、街で信頼されるパン屋さんになりたいです」(将人さん)。すでに家族連れも多いそうですが、これからも立川で暮らす多くの子どもたちで、店内がにぎわうことでしょう。

店主の山田将人さん(左)と美緒さんご夫婦

店主の山田将人さん(左)と美緒さんご夫婦。「私たちにも小さな子どもがいますが、お子さんが一人でも安心してパンを買いに来れる店を目指したいですね」(将人さん)。家族連れも多いお店には、これからも立川で暮らす多くの子どもたちで、店内がにぎわうことでしょう。

【むぎこ製ぱん所】
・住所/東京都立川市富士見町1-6-4
・TEL・FAX/042-512-7901
・営業時間/11:00~18:00
・定休日/毎週日曜日と第1、3、5 月曜日
・アクセス/JR立川駅南口徒歩約15分
     /多摩モノレール 立川南駅徒歩10分